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「上質な暮らし」の飽くなき追求

Managing Director Shoji Fukasawa 深澤 彰司

「完全自由設計」に挑むTERAJIMA STYLE

テラジマアーキテクツは、前身となる寺島工務店の創業から数えて65周年を迎えました。設計事務所と工務店という2つの機能を併せ持ち、完全自社設計・施工によって注文住宅をつくり上げるスタイルを現在も貫いています。一邸ごとに異なる家づくりは、住空間やライフスタイルにこだわりを持つ多くのお客様に支持されていますが、私自身も建築家として共感した一人でした。

20年ほど前に大手ハウスメーカーからテラジマアーキテクツに移籍したのは、「家づくりはもっと自由であるべきじゃないか」という葛藤があったからです。注文住宅とはいえ、ハウスメーカーでは多くの戸数を販売するために間取りや仕様などを規格化せざるを得えません。日当たりが良い南側の窓重視するなど、市場ニーズの最大公約数を考慮して計画されます。しかし、例えば西側に海が見える敷地に建てるなら、西に大きな窓を作る方が好ましい場合もありますよね。本来はケースバイケースで適切なプランは変わるはずです。

作り手側のロジックや一般論に捉われることなく、住まい手のライフスタイルにふさわしい理想を形にする「完全自由設計」の家づくり。それこそがテラジマアーキテクツの飽くなきテーマなのです。

「選択型」の注文住宅はつくらない

では、「完全自由設計」によって何を実現したいのか。それは「上質な暮らしの創造」という言葉に集約されます。

日本の注文住宅には「提案型」と「選択型」の二種類があると考えています。「提案型」は、間取りや仕様について個々の住まい手のニーズに沿ったものを探し提案する方法、「選択型」は用意された選択肢のなかから希望に近いものを選び取っていただき、作り上げていく方法です。

ライフスタイルが多様化していくなかで、多くの方が心地よく暮らす方法を追求し、近年はコロナ禍によって自宅での過ごし方に対する価値観も変わりました。上質な暮らしとは、好きなものに囲まれたシンプルな空間で寛げることなのか、自然を感じながら過ごせることなのか。住まい手によって異なりますが、明確な答えをもつ方は少ないはずです。私たちの存在価値は、生活文化や原風景といったバックグラウンドに寄り添い、個々のお客様にとって上質とは何かを引き出して形にすること。つまり、「提案型」の家づくりこそ注文住宅のあるべき姿だと考えています。

壁紙一つとっても、強い想い入れを持つお客様もいらっしゃいます。海外旅行先のホテルで撮影した画像を見せて「こんな壁にしたい」と要望されれば、それをサンプルとして一層満足していただけるものを世界中から探し、取り寄せます。

コミュニケーションを重ねて+αの驚きのある提案を

どんなご要望にも寄り添う一方で、注文どおりに作るだけでは、お客様の期待や想像を超えることはできません。目指すのは、要望を確実に叶えながらもサプライズがある提案です。

たとえば、意外と具体的なご希望を持つ方が少ないのが玄関まわりです。足を踏み入れた瞬間に中庭を一望できる大きな窓を作ったり、お子さんやペットが遊べるフリースペースを設けるなど、その方のライフスタイルを把握した上で喜んでいただけると思えばプランに盛り込みます。提案できることに際限はありません。

だからこそ私たちは、家づくりのプロセスの中でもプランニングに時間を費やします。ご契約前からお客様と緻密なコミュニケーションを重ねてプランを作成します。設計者として豊富な引き出しをもち、クリエイティビティを発揮することで個々のお客様の上質な暮らしを創造する。それを続けていくことが「完全自由設計」への挑戦であり、テラジマアーキテクツのフィロソフィとして受け継がれています。